ティッシュ
ちょっと早めに出勤してしまう。
事務長はまだ来ておらず、机の上には私が先週置き土産したままの段ボールがドカンと乗ったままである。
誰も片付けしてあげんかったんかいと思ってたら、なっちゃんが出勤してきた。
なっちゃんは事務長の机に向かうと段ボールに手をかけた。
嘘…片付けしてあげるの?優しい……と思ったのもつかの間で、彼女は箱を開けて一掴みティッシュを手にすると私のところにやってきた。
この流れは、私にティッシュを配るんだなと思っていたら、予想通り。
「先輩、ティッシュどうぞ。てか事務長の机、山盛りでウケますね」
はからずも共犯にされてしまった。
しかし、ティッシュをくれるのは助かる。ホクホクと引き出しにしまっていたら事務長が出勤してきた。
「ちょっと!やだ、誰これ!何これ!え、ティッシュ!?なんで?」
なんでも何もティッシュの広告見れば分かるだろうに、事務長は朝から元気だった。